皆様、いかがお過ごしでしょうか。
HKFA中期ビジョンで掲げる「選手の強化」には、選手の技術的成長に加え、審判員の存在と高いゲームコントロール力も欠かせません。
今回は、審判員が直面する課題について、私自身の経験も交えてお話ししたいと思います。
まず、審判員に関してよく聞かれる声として、
「判定がチームや観客の認識と一致しない」「登録者は多いが、実際に活動する審判員が少ない」といったものがあります。
審判経験者の中には、「やりがいを感じにくい」「頼まれたからやっている」と感じた方もいるかもしれません。
本来、審判員がいなければ試合は成立しませんが、現状では判定に対し、審判員が心ない言葉や態度にさらされる場面もあります。
私がHKFA審判委員長と北海道学生サッカー連盟理事長を兼務していた当時、
学連の試合を学生審判員で運営することを提案しました。
しかし当初は、「学生審判員の力量で試合結果が左右されるのではないか」「同じカテゴリーの選手が主審を務めるのは不公平ではないか」と
いった懸念がありました。それでも議論を重ねる中で、「リーグの質を高めるには審判員育成が不可欠である」
「未熟な審判員であっても育てていこう」「学連全体で、その取り組みを北海道全体の育成につなげよう」という共通理解に至りました。
その結果、不満の声が減少し、競技全体に良い効果が表れました。
現在では学連出身の審判員が増え、1級審判員も数多く輩出されています。
これは、選手や指導者が審判員育成に協力した成功例と言えるでしょう。
指導者や保護者が審判員を批判する環境では、良い選手も審判員も育ちません。
競技力の向上には、選手だけでなく審判員も安心して成長できる環境が欠かせません。
では、この取り組みを北海道全体に広げてはどうでしょうか。
私は、北海道のサッカーがさらに発展するためには、指導者や保護者が審判員にリスペクトを持つことが何より大切だと考えています。
皆さんの小さな意識の変化によって「審判員を育てる」姿勢を共有できれば、
それは必ず選手の成長とも結びつき、北海道サッカーの未来をより豊かなものにするはずです。
サッカーを愛する皆さんと共に、その未来を築いていきたいと思います。